
こんばんは!
木下純平です。
先日、「住宅ローンで借入益!?」というタイトルでブログをアップさせていただきました。(こちらです。→住宅ローンで借入益!?)
長引く世界的な低金利金融政策に伴う住宅ローン金利の低下と、住宅ローン控除制度を利用した減税を組み合わせて、ネット収支で利益も狙える、という内容でした。
ところがその後、「そう簡単ではなさそうだな」と思わせるような記事を早速見つけてしまいました。
銀行が苦労してそう!?
その記事は「住宅ローン、ネットに軸足」という見出しで始まります。
要するに、長期金利がマイナス圏で推移する中、住宅ローンは採算が悪化し、大手銀行はコストのかからないインターネット販売へのシフトを促している、とのこと。
思い返してみると、、、
思い返してみると、私が新卒で入行した大昔からしばらくは、
個人住宅ローンは利ザヤは取れるものの、企業貸しに比べてロットが小さく効率が悪い為、大手行は個人住宅ローンに対してそれほど力を入れていなかったという時代。
その後、超低金利時代に突入し、まずは企業貸しの利ザヤがどんどん縮小。
大手行も個人住宅ローンの利ザヤの良さを無視できなくなった。
その結果、それまで特に中堅・下位行が力を入れていた個人住宅ローンに大手行も進出するようになり、個人住宅ローン顧客の争奪戦が激化することとなった。
ざっくりこんな流れだったと思います。
住宅ローン金利が追い付かない!?
そして、ここへ来て更に状況が進展。
市場金利の低下傾向が想定外に長引き、ついには住宅ローン金利が市場金利に追い付けなったとのこと。
大手銀行にとっては個人住宅ローンでさえ利ザヤをとれなくなる状況となっているようです。
そこで、大手行を中心にコスト削減によりなんとか採算を保とうとする動きとなり、コストのかからないネット販売へのシフト。
そこまで行っていたのか!
私が銀行員を卒業してから15年以上たちましたが、市場金利の低位推移がここまで銀行の収益までにも悪影響を及ぼしていたのか、と驚かされました。
でもまだ大丈夫?
但し、まだインターネット系銀行にとっては個人住宅ローン商品は主力であり、貸出姿勢を強めているところもあるそうです。
また、大手行も個人との長い取引の手がかりを得るため、「ある程度の採算は度外視して続けなければならない」ということから、
私は今のところは個人住宅ローンへの貸し渋りなどのような悪影響は限定的と楽観的に見ております。
世の中そんなに甘くない!
でも、前回ブログで書いたように、市場金利低下に伴って、住宅ローン金利が今後も益々低下し、ローン減税との併用で借入益が膨んでいく、といった個人にとっておいしい状況はどうやら難しそうだな、とも思いました。