
こんばんは!
木下純平です。
先日、「レオパレス入居率回復80%台に、逆ザヤ回避へ」という見出しの新聞記事を見つけました。
このところ施工不良問題で低迷していたレオパレス21の入居率に歯止めがかかってきた、とのこと。
新聞記事によると1月の入居率は80.19%で、「逆ザヤ」転落の目途である80%割れ水準を4か月ぶりに脱したとありました。
レオパレス21は、サブリース契約先の個人や企業に対し家賃保証分を毎月固定費として支払う必要があり、それを上回るテナントからの家賃収入が無ければ赤字に転落してしまう。
その分岐点が入居率80%ということと思います。
損益分岐点入居率80%!
この記事を読んで、主旨とは逸れますが、損益分岐点が入居率80%って随分低くて余裕があるなぁと思いました。
そして私の所有物件はいったい入居率何%が損益分岐点なのだろう?という疑問が湧いてきました。
入居率80%なら完全に逆ザヤ!
私が所有している不動産は中古区分ワンルームでしかもすべて都心物件。
およそ4年前からスタートしましたが、当初利回りも低く、レオパレス21とは異なり20%も空室があったら完全に逆ザヤのはずです。
2019年生データの振り返り
ということで、ちょうど確定申告の時期でもあり、2019年1月から12月まで1年間の生データを使って振り返ってみました。
計算の前提は以下としました。
公平のためフルローンで購入した物件のみで考えました。
キャッシュフローは2019年1年間の全てを含みます。
総収入の中身はほとんど家賃収入です。その他、礼金等も含みます。
総支出の中身はローン元利払いや税金、修繕等全てのキャッシュアウトです。
全てのキャッシュフローですので、テナントの入れ替えがあったりなかったり、修繕があったりなかったりと、年によって条件が異なるためいつも同じ土俵で比較できるわけではありません。
でも、そこら辺を全てひっくるめて、2019年はどうだったか見てみました。結果は以下です。
損益分岐点入居率96.05%!

まず、損益分岐点の考察。
2019年総収入はおよそ920万円、総支出は885万円で、1年で3.95%しか総収入が総支出を上回りませんでした。
ですので、仮に支出が3.95%増えるか、収入が3.95%減るとたちまちその年は逆ザヤになります。
要するに入居率96.05%(100-3.95)を下回ると逆ザヤです。
レオパレスの逆ザヤの損益分岐点入居率80%よりは随分余裕がないという計算結果になりました。
実際の入居率99.18%
これに対して、実際の入居率はどうだったか?
フルローンで購入した対象物件9戸の年間延べ日数は3,285日(365日×9戸分)。
その内、2019年テナント入れ替えのあった物件は2戸のみで、家賃収入を得られなかった日数はその2戸で延べ27日。割合でみると0.82%(=27日÷3,285日)。
厳密には入居率とは異なると思いますが、家賃収入を取り損ねた日数からみた入居率は99.18%(100-0.82)と言えます。
損益分岐点入居率を先ほど96.05%と計算したので、これに比べるとまだまだ余裕があるな、とも言えると思います。
年間延べ130日空室から逆ザヤ
これを分かり易く日数換算で考えると、損益分岐点は130日の空室日数(3,285日×3.95%=130日)ということになります。
実際の空室日数は27日なので、まだ100日以上の余裕があるということです。
所有物件全部で入替があるとトントン!
もう少し考察を進めます。
テナント入替があると一戸当たり大体14日間空室となります。
従って、損益分岐点の空室日数130日÷14日=9.28から、私のフルローン所有物件9戸全てでテナント入れ替えが1回発生した場合に初めて逆ザヤとなる、という見積もりともいえると思います。
都心中古区分ワンルーム投資は堅い!
以上のように、
都心中古区分ワンルーム投資の場合、損益分岐点入居率は96.05%で、レオパレス21の80%に比べるとずいぶん条件が悪い投資のように見えます。
でも、上の考察ようにその分実際の入居率は極めて高く逆ザヤにはなりにくいと考えられるので、都心中古区分ワンルーム投資は実際は堅い投資ともいえると思います。